宇多田ヒカルも通っていた、あのアメリカ名門大学の実力
世界の名門大学「コロンビア大学」【傾向編】
第10代学長Frederick Barnard 氏の情熱
コロンビア大学の姉妹校にはBarnard Collegeがあります。
この大学はリベラルアーツの名門私立女子大学です。通常の提携校のような象徴的な関係ではなく、米国の高等教育機関の中でも非常に珍しい関係性を築いています。
Barnard College の 校名は、Frederick Barnard 氏(コロンビア大学の第10代学長)から取られたものなのです。Barnard氏は、コロンビア大学が男子校であった当時、女性の入学も認めるべきとの強い信念を持ち、理事会に共学への転換を働きかけていました。
しかし理事会は頑として首を縦に振りません。
それに折れることなく20年間働きかけを行ったBarnard氏に押され、理事会はついに譲歩の姿勢を見せ始めます。コロンビア大学の入学審査を通った女性は、コロンビア大学では学べないものの、コロンビア大学に隣接した新設大学「Barnard College」で、コロンア大学と同等の教育を受けることが許されました。
時は流れ、今では Barnardの学生はコロンビアの講義を、コロンビアの学生はBarnardの講義を受講することもできるようになっています。Barnardの卒業生は、コロンビア大学から学位を授かり、コロンビア大学の卒業式に参加することもできます。
それぞれ独立した大学でありながら一心同体のように機能するコロンビアとBarnard、この関係性を築いた Barnard 氏は、耳が不自由であったと言われています。コミュニケーションにハンデがありながらも20年ものあいだ周りを説得し続け、変革をもたらした同氏の教育への信念には、凄まじいものがあったのでしょう。